フランス・パリで考えさせられる住民投票が実施されました。
それはSUVの駐車料金を引き上げるか否かです。
パリ市長室が重量が多く環境を汚染する車を対象に、駐車料金を引き上げることを提案したのです。
この提案はパリ郊外からパリを訪れた車両のみ適用で、パリの住民には適用されません。
住民投票は投票率10%も満たなかったようですが、駐車料金引き上げを賛成する意見が過半数を超えたため、地元の関係当局が承認すれば9月より施行されるとのこと。
実際に対象となる車はSUVとは明記されていませんが、
・車両重量1.6t以上のガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車
・車両重量2.0t以上の電気自動車
のどちらかに当てはまる車両が対象となります。
では何故「SUVが対象」という言い方をしたかですが、同一クラスでもSUVの方が車両重量が重くなり、駐車料金引き上げの対象になりやすいからです。
例えばトヨタ・カムリとRAV4を比較してみましょう。
この2車はGA-Kプラットフォームを使用しており、ある意味兄弟車とも言えます。比較対象として、どちらも廉価グレードであるX、パワートレインはハイブリッドとしました。
まず、セダンであるカムリは車両重量1550kgとなり、駐車料金引き上げの対象外となります。
そしてSUVであるRAV4の車両重量は1620kgで、駐車料金引き上げの対象となります。
兄弟車でも、セダンと比べてSUVの方が車両重量が重いのが分かりますね。
このように、同一クラスでもSUVが駐車料金引き上げの対象になってしまう可能性が高いため、「SUVが対象」という言い方をしました。
もちろん車両重量1.6t以上のセダンやワゴン等も多いため、一概にSUVだけとは言えませんが。。。
ちなみに、SUVは2年ごとに平均10mm車幅が大きくなっているそうです。
(近年の衝突安全対策により、ほとんどの車で車幅が大きくなっているなかでSUVのみが大きくなっているかは疑問ですが)
車幅が大きくなる=1台あたりの駐車スペースが大きく必要になる=駐車台数が減るに繋がるため、今回の住民投票が無くても、駐車料金は将来的に上がっていたと思います。
車両サイズで駐車料金が変動するのは納得できない方もいると思いますが、昔は日本でも3ナンバー車は税金が高く設定されていましたし、都市部では機械式駐車場に入る・入らないでコインパーキングの価格ランクが変わるので、まあ今更感はありますね。
実際に先日友人と別々の車で東京を訪れた際に、SUVに乗っている私とコンパクトカーに乗っている友人では使用できる駐車場が異なり、約2.5倍の料金差がありました。
。。。あれ?パリの住民投票は東京にも適用された?(笑)
やっぱり大きな車を所有するって贅沢なんですね。パリの駐車料金引き上げも贅沢税っていっても問題ないでしょう。
大きな車を所有するには(財布的に)覚悟が必要なので、購入時には気を付けましょう!